回り回ってたどり着く
完成見学会に現れた若いカップル。
初々しさとかわいらしさがある2人を見て、まあ直ぐには家づくりにならないだろうなぁと感じました。
住まいを造るという意気込みよりは将来を夢見て情報収集中と感じたのでしょう。 その後何度か土地の相談を受けたましたがいつしか音信不通に・・・
それから5年後、まさか一緒に家づくりをすることになるとは。
再開したカップルからは家づくりへの覚悟が垣間見えました。
聞けば、新築戸建てからマンション、リノベーション、住まいの検討をずっと続けてきたとのこと。
土地探しの再スタートです。
安くて難しい土地をいくつか一緒に見るうちに、少しずつ自分達の生活と求める土地が結びついてきたようです。
おもしろ!っていう土地もありましたが、最期は落ち着いた歴史ある地域にたどり着きました。
また6区画ある中から価格、日当たり、広さ、形から、一番自分達にシックリくる土地を選び抜いたと思います。
時間を適切に掛け、脚を使い、自分達にあう生活の場を見抜き育む姿はとても自然体です。
無理が無い 無駄が無い そして楽しむ 爽やかな風を感じる醸成の仕方だなあと 家づくりを伴走しながら感じておりました。
都内のマンションから森の傍らへの移住。
ウッドデッキにはどんぐりが落ちてきます。
虫もいます。野鳥もいます。やんちゃな息子は楽しそう。
窓先には森と空 そよぐ枝先で風を感じます。
淡い色がサワサワと山が笑っています。
森の傍らの家は 季節の移ろいを楽しめます。
住宅地の突き当たりでその先は森です。
L型のプランをそこに置き 入り隅にデッキ。
窓は森側に大きく取りました。プライベートガーデンのできあがりです。
美術系の住まい手は 美しさとラフさの同居が上手く、
居心地のいい森の家になっています。
野沢温泉村には道祖神祭りという壮大な火祭りがあります。
江戸時代後期から続いていると言われるこの祭りの採火場所であった民宿になります。
村民から火元の家と呼ばれていたことから火元屋という屋号になりました。
消防申請へ行った時、つい謝ってしまいました。
囲炉裏、神棚、床の間、そして人が集まる場所を残しました。
連綿と続いてきた祭りの記憶と空気感を感じられる場所として。
かつて人が集まり、歌い、酔っ払い、賑わった宿が再生できればと考えています。
民宿の再生というのはただ悪い所を直すというのではなく、
増改築を重ねられた無茶苦茶な構造と納まり、雨漏り、獣害、隙間風、どこまで直す?という建築の問題。
宿泊者の過ごし方や従業員の動線などの宿の運営方法。
サービスの質と客単価といった経営判断。
それに合わせたデザインの検討。トータルで考えます。
それを限られた時間と予算、解体とともに新しい問題噴出という中でなんとかするのが民宿再生です。・・・大変だった・・・
野沢温泉の歴史を感じられる素朴で上質な和の宿、人が語らい、出会い、楽しむ宿として営業スタートしました。
是非遊びにいらしてください。
アクセス
HP https://himotoya.jp → ご予約
Instagram https://www.instagram.com/himotoya.nozawa
Youtube 火元屋ストーリー
2階のリビングは屋根なりに天井が高く、南西のコーナーに配した窓からは暖かい日差しが差し込みます。
そのポカポカなコーナーから外を眺めるかな?そこに辿り着くまでの吊り橋は試練かな?
と盛り上がりながら設計が進みました。
家人が幸せに過ごせるように考えるのが家づくりですが、家猫のためにも住まい手とともに考えた家です。
完成して間もなく新しい住まい手として2匹が来ました。
住まい手はドキドキとワクワクで迎えたでしょう。
私もまた違った意味でワクワクしていました。
私達の空想の産物は実際に使われるのか!?
太陽は季節と時間で移りゆく。
向きと角度と日照時間を変えています。
そんな変化と上手くつきあえるように考えます。
夏の強い日射は遮ぎりたいし、冬は暖かい日の光を受け入れたい。
朝は明るさが欲しいけど、西日には遠慮してもらいたい。
太陽光で発電したり、お湯を作ったりもできます。
そのためには「家の配置」と「屋根の形」、「窓の位置」と「軒や庇」と「カーテンやシャッター」「植栽」などなど
いろんな手法を使います。
その土地の声を聞き、住まい手の生活を感じ。
どうしようかな・・・
さて、ここの住まい手は温熱環境や太陽光発電に興味がある。
そして、整然とした開発地にそのまま納まる家では(たぶん)ちょっと満足しない。
そんな事を考えていたら、この家は太陽に対して素直に真っ直ぐ正面を向きました。
すると・・・・土地の形に対して斜に構えることになりました。
太陽の動きは自然のことわり、境界線は人のことわり、
今回は自然とともにでいきましょう。
子供の頃からからものづくりが好きな私は、IT業界を経て、建築業界に入りました。ITも建築も「モノづくり」という楽しさは共通しているけど、BtoBよりBtoCの方がよりガチンコの濃いモノづくりが出来ると思ったのでした。だからこそ、折角つくった家は建材を組み立てる様な家づくりでなく、ひとつひとつが手づくりで、住まい手とつくり手の思いの詰まった家づくりをしたい。時を経てより味わいの出る家にしたい、という思いが強いです。
建築業界に入って10数年が経ち、子供が生まれて今回の計画がはじまりました。母と私たち3人の2世帯住宅。巡り会った土地は、北側には下に5mの崖、南側には上に15m以上の崖という崖に囲まれた敷地。
「崖の圧迫感を感じることなく、自然に囲まれた生活を送る」
「2世帯が緩く繋がりながら、プライベートを保つ」
をテーマに計画をスタート。
南側のRC擁壁は植栽で覆うことで圧迫感を和らげ、緑が迎えるアプローチに。隣地との目線が気になる1階でも開口部はすべて透明として、開口部の位置や植栽計画で、隣家の存在を気にすることなく、庭や借景から四季を感じる事が出来るように。また、トップライトや大開口を設けることで、北側向きでも昼間は照明がなくても明るく過ごせるようにしました。
2世帯の配置は、通り土間を介して平面的に分け、それぞれの生活空間を守りつつ気配を感じられる間取りとしました。それぞれのリビングも共有の庭を介して繋がっています。
2階多目的室のバーカウンター、BBQもできる広いバルコニーなど、遊びの空間もとりいれ、そこからは北側の広い眺望を楽しむことが出来ます。
素材はできるだけ無垢材や漆喰を使用することで、年月が経つほどに味わいの出る家になるよう心がけました。
3年近く過ごしてみて、日々味わいを増す素材にふれながら、いろんな方と語らい、お酒がのめる。。。
単純に、「幸せだなぁ」と思います。
これからも、住まい手、つくり手、みんなの思いの詰まったモノづくりをしていきたいと、お酒を飲みながら思うのでした。。
ちょっと家を見てみたいなと思う方は是非鎌倉に!お酒も片手に語らいましょう。
(住まい手 & つくり手)
家を建てました。
目指したのは、簡素で美しく、その場所に自然と湧きたつというか、融け込むこと。
仕事柄、色々な知識が入ってきます。意匠・技術・性能・制度。
魅力的なものも多くて悩ましい。ですが「詰め込まない、やりすぎない」と心に決め、普遍的な寸法・技術を使うように心がけました。
だって、目指すは簡素な家だから。
あとは直感。ものづくりは感性と感覚に頼った方が面白いくなり、力がでると思います。ダイニングは朝日を入れたいからここらへん、とか理屈から始めるのですが、グリグリグリグリ鉛筆を走らせていると「あ、いいな」という瞬間が来ます。腑に落ちるというのかな。
あとは家族(妻)の承認が得られるかどうかです。家事動線とか収納計画とか結構気を配ったつもりですが、どうでしょう?
さて、引っ越しから1年ちょっと経ちました。実際に生活を始めてみると、「これはこうした方が良かったな」とか、「これは失敗したな」というのも散見します。が、それは些末な問題(としておきます)。
四季折々の景色を眺めながらボ〜と過ごす時間、雨の音・風の音・朝日・西日、いろいろ感じながら、ふと、ああやっぱりこれでいいのだなと感じました。
(住まい手 兼 設計)
私は賃貸派でした。大きな買い物が苦手です。しかし旦那が家を建てました。おかげで動物を飼うことになりました。子どもの頃、いつか猫と暮らしたいなぁと思っていた事を思い出しました。忘れていた夢が叶いました。人生は何が起こるかやっぱりわからないです。
(住まい手 妻)
Re form:形を変えること。でも本当に変えたいのは形でなくて過ごし方。
リフォームというと動線の改善や、収納の充実、新しい設備、デザインに目がいきます。でもそれらは重要な要素ですが、本当に大切にしたいのは家での過ごし方です。そして、「なんとなく家にいるのが好き」となってくれたら最高です。
(聞き取り中の私の頭の中)
生活動線や収納や不便なところなどを聞きながら、私の心はそこにあらず・・・
心地よくボーっとできる場所ができないかなあ。そんなきっかけはどこかに転がっていないかなあ。心地よく~心地よく~。心地よくは何処にいる?あの出窓、ポテンシャルを感じるぞ!あそこから庭を眺めたら気持ちよさそうだなあ。雨に濡れるアジサイを眺めながらコーヒーを飲んだりできるなあ。このコーナー、気持ちいい場所にならないかなあ?オーディオコーナーかな。音楽聴きながら読書できたら気持ちいいかな?
引渡し後にIさんに「聞き取りのとき、齊藤さんは私の話をあんまり聞いてなかった」と言われてしまいました。そんなつもりはなかったのですが・・・
未熟です。
全体は一つの空間なのにそれぞれのコーナーがなんとなく分かれていて、なんとなく違う性格を帯びている。ダイニングからは朝露に濡れた植物を眺めながら食事ができて、リビングはしっとりおとなしい雰囲気に。雑多な書斎コーナーは上手に隠して。
リフォームって形の自由度は少ないけれど、実は可能性に満ちています。
Iさん、庭ができたので今は毎日水遣りが大変だそうです。水遣りという時間の過ごし方が生まれたでしょ。大変なだけ?
(つくり手)
どんな家にしようかな?
ざんぱ(猫)が気に入る家がいいということだけれど、どんな空間が猫と人にとって良いものだろう?
猫と人の暮らしを考えた場合の住まいづくり。
それと住まい手が好きなことや 家に求めるものは〜?
食 と 職 かな
夫婦共に「食」を大切にしている感じ。食べること・お酒・食べ歩きも好きだし、調理も好き。色々な食材に興味があって、生パスタマシーンも使いこなす。食を元に会話も弾む。自然と食を楽しめる家にしよう。
職はというと、リモートワークがある奧さん。リビングと緩やかに繋がる性格の書斎があるといい・・・・(今となっては夫婦ともリモート。あってよかった)
それらのイメージを元に ざんぱ(猫)の装置と食と職をからませて・・・・
吹抜は猫のために大活躍。箱階段やキャットウォーク・梁の橋・猫出入り口、縦横無尽に動きまわる。そんな装置がリビング・ダイニング・キッチン・書斎・寝室をうまく繋げていく。箱階段の裏側が書斎スペース 本棚を兼ねているため、棚から顔を覗かせる。キッチンはシンクと作業台のアイランド・作業台を囲みながら、お酒を片手に料理したり、一緒にキッチンにたつ姿が絵になる。
※ざんぱ(猫)に兄弟が来ました。 猫イニシアチブ 強化中
(before)
母の家を受継ぎ1年が経ちました。家族で移ろうと思い立ちましたが、一番困ったのは、陽当たりの悪さ。建てた当時は田畑が広がり、一日中陽が差し込んでいましたが、20年経つうちに周りに建物が建ち並び、1階は昼でも照明がないと暮らせなくなっていました。
どうしたものかと悩んでいたとき、「大改造!劇的ビフォーアフター」に出ていたのがトトモニさんでした。ダメもとでドキドキしながら電話したら、とりあえず会ってくれることになりました。
下見したトトモニさんからは、1階のリビングやキッチン、お風呂などの生活空間を陽当たりがいい2階に移し、1階は寝室やクローゼットにするという提案をいただきました。思いも寄らない提案でしたが、聞くとなるほどと思いました。
(under construction)
構造を残して作り直すという大規模リフォーム 再構築が始まると2週間おきに現場打合せを行い、いろいろな相談させていただけて、本当に助かりました。
大手建設会社では工事中は施主でも立ち入り禁止、完成後にトラブルになるケースがままあると聞いていました。
トトモニさんとは工事が進んでいく様子を見ながら、壁の色、襖の取手、建具などの相談をすることができて、完成後のイメージは、思い描いていたとおり、むしろそれ以上に満足のいくものとなりました。
(after)
工夫満載の茶室は出色の出来です。1階の陽当たりの悪さが幽玄たる茶室の佇まいを醸し出し、まさに21世紀に出現した侘びさびの庵です。トトモニさんは著名な茶室を見学に行ってくれて、しっかりと作り込んでくれました。妻が裏千家の社中の方々をご招待した時は、目の肥えた皆さんも茶室の素晴らしさに驚いていました。
1階が和風な昭和の造りだとすると、2階は広々とした洋風な令和の造りです。壁も天井も漆喰の白一色に統一され、窓からまぶしい陽が差し込みます。天井を高くした事で現れた既存の梁にはオイルが塗られ白い天井にアクセントを加えています。義母がこれを見て、「この梁がいいねぇ。」としみじみと言っていました。
2階をリビングにしたのは大正解でした。妻は、仕事から帰ってきたらホッとすると、口癖のように言っています。
(garden)
旗状敷地のため2m幅の通路があるのですが、もともと砂利敷を歩くだけのスペースでした。この通路と小さな庭を相談したところ、庭師の栗田さんを紹介いただきました。 するとどうでしょう。無駄な通路が、ゆったりと玄関へといざなう木々に覆われた小道へと変身し、小さな庭は、茶室の障子越しに愛でる茶庭となりました。
元の姿を知っている私たちからすると、ここは一体どこ?というくらいの変貌振りでした。
ちなみに諸事情があり 工事見積は数社相見積りさせていただきましたが トトモニさんが一番安く、その後のこちらのわがままな変更にも 明朗会計で対応いただきましたことを宣伝しておきます。
(住まい手)