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窓の先には
コラム/齊藤元彦
2024.09.03
2階のダイニングで仕事をしていると、窓先で何かが動く。モニターから目線を外すとそこにはメジロのつがい。窓のすぐ先はモミジが茂っています。この家を建てる前からそこにあり、古屋解体の時に使えそうな樹木は残してもらいました。
ダイニングテーブル脇のこの窓はちょっと変わった三角形の出窓で、「斜に構える窓」と呼んでいます。そうすることで隣家に正対するのを避けて、テーブルに座った時にちょうどいい眺めがとれるようになりました。春から秋にかけてはモミジが茂っていますが落葉する冬には北鎌倉の山が現れます。
季節によって新緑や紅葉を楽しませてくれ、シジュウカラやガビチョウなどもやってきます(計算外の喜び)。花器などを飾って楽しんだり 食事時にはPCの一時置きになり実用的 飼猫のひなたぼっこの姿は多幸感が漂います。
住まいの窓の配置計画
窓は 採光 風通し 眺望 日射取得 といった目的に合わせて配置していきます。この窓は何用?何狙い?空想してみてください。きっと何等かの意図があると思います。私は壁を照らす為の窓を考える事もあります。(建築家は壁好き、路地好き、といった変わったフェチの方が多いようです)
(コルビジェより)
そして長時間過ごす場所にはボ〜と眺める窓が欲しい。借景や木々が有れば喜び勇んで活用します。住宅地では難しい事もありますが、そんな時は高窓やトップライトで空を眺めるのもいいかもしれません。家の設計はぼ〜っとする事が好きな人に任せるといい具合に力が抜けるのかも。現代において時間の流れをゆったりに戻す、そんな窓があるといいなと思います。