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vol.7 現場監督は見た! ~板金屋編~

コラム/諸橋義徳

2021.06.17

板金屋さんとはなんでしょう?
屋根屋さんと違う?車の板金屋とちがう?家のどの部分をやる人?
実は私も最初は何をする人なのか具体的にイメージを持っておりませんでした。
実際現場で接してみると、実に奥が深く難解な世界というものでした。

 

私の接した板金屋さんは建築現場で数種類の分野で仕事をしています。
「屋根スレート施工」「屋根鋼板施工」「外壁サイディング施工」「雨樋設置」「内装ステンレス貼(キッチン等)」など。
これらは一般的に大手建材メーカーや地域産品などの商品であり、施工取付方はおおよそ統一されています。マニュアルなども豊富にあるので仕事歴 1、2年の方が施工に携わったりもしています。

 

そういった仕事とは別に、板金屋ならではの仕事があります。
それは実際の現場では表舞台に出てこないのですが、とても重要な部分を担っています。
それとは屋根や外壁などの防水性に直接関わる板金加工です。

 

家づくりにこだわってくると建物の形が複雑になることがあります。
丸や三角、楕円や生き物のように有機曲線になったりすることも。
そうなると既製の商品では対応できない部分が発生してきます。
そんな際、実は板金屋さんによる職人技術がおおいに活躍します。
職人の技術がそのまま防水の(家の)命綱になるのです。

 

どのような板金加工がされているのかはとても文章では伝えられません。
ただの一枚の四角い鋼板を切ったり曲げたり重ねたりして雨水を「流し」「切り」ます。
「切る」というのが重要です。「切る」というのは 水を残さないという意味です。
水は毛細管現象や風の影響であらゆる場所から浸入し、留まってしまうことがあります。
建物を腐れや雨漏れから永く守り続けるには、水を浸入させず、留まらずに切らすというのがとても重要です。

 

経験の豊富な板金屋さんには雨が降ったらどのように水が流れて、水が登って、そして溜まるのかが見えるようです。
そうして板金をカットする角度、曲げる回数、取付ける際の釘の打ち方、経験に裏打ちされた技術で 水を流し 切らすのです。

 

私も現場で見ながら、なぜこんな形の鉄板できちんと水が切れるのだろうと不思議でした。
そのような時は直接聞いてみるのですが その板金屋さんの口癖が「水は下から来るんだよ!」
下から???

(諸橋 義徳)

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