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温故知新の優れた左官材料「漆喰」
コラム/totomoni
2021.06.17
壁、天井、床の仕上げの材料に漆喰という素材があります。最近はあまり見かけることがなくなりましたが、城や古い蔵や民家で見る事ができる白い壁などが漆喰です。
漆喰の歴史は古く、紀元前から中東やヨーロッパ、アジアなど世界各地で使われていたということです。そんな昔から使われてきた漆喰 近代ではクロスの普及とともに使われなくなってきましたが その性質を知ると実に魅力的な素材です。 簡単にその性質を紹介しますと・・・
■汚れにくい
完全自然素材のため静電気を帯びることがなく、埃を寄せ付けません。
家電による黒ずみ、煙による黄ばみもありません。
■消臭効果がある
ペットやタバコの臭いを分解する力があるため臭いが残りません。
■湿度調整してくれる
給放湿性能があるため室内の湿度を調整してくれます。冬の加湿器、夏の除湿器が不要になります。
■カビが生えない
消石灰が主成分のためカビが発生することがありません。
■燃えない、延焼しない
汚れが心配なキッチンまわりで使えます。
■経年変化で衰えない
万一欠けたり、シミ(絵の具など)ができてしまってもそこだけ補修ができます。
クロスのように剥がれることがないため経年によりやり替える必要がありません。
(※仕上げの方法によっては補修が難しいものがあります)
性能だけみてもこれだけ魅力的です。
そしてなにより仕上りの質感が美しい。朝と昼と夜 それぞれの時間の光が もたらす表情の移り 人の手で造られたからこそ得られる優しい表情と味わい深さ。写真では写らない肌感覚の気持ちよさがあります。
コスト面で使われなくなりつつある素材ですが、古き良き材料を見直し現代に活かしていきたいと思っています。