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家の見えないところを覗いてみよう
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2011.06.18
世田谷区での耐震診断。
今回は同敷地内に建つ、3件のお宅を診断してきました。
昔ながらの家 ・・・と一言でいっても
つくり方は年代によって結構違います。
今日見た家も、外観は3件お揃いの感じで建てられていましたが
部屋の間仕切り壁の下地が、竹小舞だったり、ボードだったり
筋交いが入れてあったり、なかったり・・・。
ボードの厚みも標準的な厚みが時代によって違ったり・・・となかなか興味深いです。
壁の下地(壁の中)って実はこうやって見ます。
天井裏から壁をみています。
竹を格子状に編んだところに、土状のものが塗り固められてはみでています。
これが竹小舞とよばれる下地で、漆喰による仕上げです。
天井裏ではこんなものも見えます。
ねじれた松の丸太梁。
今では製材された梁がほとんどですが、ねじれた材はカタチはもちろん
経年乾燥にともなってねじれが少し増してしまう。
これをきれいに納められるのは大工の腕あってこそ。
床下を見るのに畳も一部あげさせてもらいました。
畳の藁床がとてもしっかりしている、見事な畳。
下地の木部も、畳の裏もカビひとつなく乾燥状態も良好。
畳はあまり知られていませんが、
1枚1枚微妙に寸法が違って、いわばすべてが特注。
裏に書き込んである「八東北」は「八畳間の東北角の部分の畳」の意味。
場所をまちがえるとけしておさまらないパズルなのです。
当時家をつくってくれた職人さんも、
時を経てこうしてまじまじと見られるとは思ってなかっただろうなぁ。
診断しながらも、当時の職人の作業に思いをはせたり
楽しくなる瞬間なのでした。