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vol.10 建築失敗談2 ~いい施工者の見つけ方~
コラム/totomoni
2021.06.17
さて、前回の失敗談からの続き
「施主が自ら現場で目を光らせて失敗や手抜きをチェックすることもできますが、ある程度は効果があっても 限界があります。ではどうしたらいいのか?」
を考えてみました。作り手側からの意見です。参考になるかしら?
一昔前の家づくりは 付き合いのある近くの工務店や大工さんに仕事を頼むことが一般的でした。
この頃はお互い知人でしたし 建てる家も大体同じような工法とデザインで選択肢もありません。性善説の関係性がベースにあります。この頃は悪質な手抜きはなかった(と思います)
でも最近の家づくりはと言うと 付き合いのある工務店に頼むことは減っていますし、建築の技術や工法、法律、デザインが多様化しており 施工者もそれぞれ得意とする分野が違うので「自分たちが求めている家」と「それを得意とする施工者」が違ってしまうと 意思の疎通がうまく行かなかったり ミスも多発しがち
そもそも最初のボタンを掛け違ってしまうとストレスの嵐・・・そこの見極めがまず大切だ!と感じます。
話が大きくなってしまったので(今回のテーマを外れるので)実際の現場に話を戻しまして・・・
その会社 建築家 工務店 現場監督がしっかり造ってくれているのか?はどこを見ればいいのでしょう
以下 設計者 現場監督 職人 それぞれで意見の箇条書きです。
■まずはそこが実際に建てた家(出来ればショールームや社長宅でなく、一般の施主の)を見る。(作り手一同)
■出来れば その施主に話を聞いてみる。施工中の話とか。
(設計+現場監督)
■その時に 施主と作り手の関係性もチェック!(設計)
■疑問に思うことを担当者や社長に聞いてみて その受け答えが分りやすいか?ごまかしがないか (設計)
■現場には可能な限り行ってみる(毎日はちょっと困る)
※安全面のことがあるので勝手に中には入らないこと(設計+現場監督)
■現場担当者が何棟受け持っているのか聞いてみる。あまり棟数が多いのはNG(現場監督)
■技術についてどんどん質問してみる。そうするとその会社が得意なところと不得手なところが見えるかも(設計+現場監督)
■ブログを活用する。「家づくりのブログを造ってもいいですか?」と施工者に聞いてNGと言うところはあやしい・・・ 現場写真をUPしていれば工務店も手が抜けないし自分の営業にもなるので意識が高まる。でもブログに無責任なコメントが投稿されて、情報が錯綜してしまう恐れがあるかも(設計)
■チェックという意識で現場に来ている施主は分る。それはいいけど 粗探し的になると逆に現場が荒れる(現場監督)
■第3者機関を利用する。制度でカバー(設計)
※今は瑕疵担保保険のチェックはあります
■細かいところ 例えば「この鉄筋のピッチは?」とたまに質問するのはいいかも(設計)
■事務所が綺麗か?トイレが綺麗か?現場が綺麗か?(設計+現場監督)
■適度の緊張感と信頼関係がなくては・・・(現場監督)
■低価格住宅は、技術力や対応力を無くすことでコストダウンをしている。
■でも安いのが魅力 手抜きとはちょっと違うかな? (設計)
■図面が分らない(分っても)フリをする。きちんと説明してもらうために(設計)
■自分たちの仕事に興味を持ってもらえると やっぱりやる気というか気持ちが高まることはある(職人)
■たまに 後ろに立たれて じ~と手元も見られ続けることがあるけど・・・あれは気が散ってしまって・・・ (職人)
■設計者が現場にどれくらい行っているのか?聞いてみる。(設計)
■現場で写真をよく撮るようにする。記念と記録とパフォーマンス(現場監督)
・・・とまあ ツラツラと 論点も散らばっていますが いろいろ出ました。
実際にすぐ出来そうなことはありましたか?
でも やっぱり一つ一つチェックするというのは無理があって
ストレスレスの家づくりは、そこが信頼できるかどうかになりそうです。
それと失敗はどこの現場でも少なからずあります。その時にどのような対応をするかを見ていただければと思います。
(作り手一同)