魅惑の緑

役所にいくついでに通った道。
そこはずっと前から見ておきたいと思っていた
「阿佐ヶ谷住宅」の敷地内につながっていました。

戦後、昭和30年代に建てられた公団住宅で、
各戸に庭をきちんとしつらえ、コモンスペースもあるテラスハウス群。
前川國男の設計によるもので、当時の新しい試みでした。

歴史の研究室にいたので、そんな場所があることは知りつつも
まだ見ていなかったこの場所、この建物。
取り壊される前に思いがけず出会えてホントよかった!!


この空間は、なんて趣があるんだろう。
うっそうとした緑の中で、赤い低い屋根の家がゆったりと立ち並ぶ。
住宅地・・・じゃなくて、
空と緑と、曲がりくねった道の中に、家を置いていったような・・・。

どことなく廃墟の雰囲気がでつつも、そこがまたやみつきになりそうな
とても魅惑的な場所でした。


そしてその道を抜けて辿り着いたのは、善福寺川沿いの緑地。
緑深くて、湿気まじりの懐かしい土のにおいがする場所でした。

うっそうとした魅惑につつまれて
なんだか土に返ったような気持ちになった道中なのでした。